事務所の充電器から家のテレビまで、日常生活の中でプラグが必要不可欠な器具として存在します。それでは、ZW3Dを使って、プラグを設計するための主なステップをご紹介します。プラグの設計方法に興味のある方、ぜひ以下の記事をご覧ください。
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https://www.youtube.com/watch?v=928xboegUAc&t=13s
図1.ZW3Dで設計されたプラグ2
プラグの構造
よく使われる3極プラグは主に下記の三つの部分で構成されます。
表1. プラグの構造
この三つの部品は機能により異なる材料で作成されるものです。金属部品は、電化製品を電源に接続する部分になりますので、ソケットに挿入される際に変形を起こさないように、十分な硬度が求められます。そのため、通常は鉄が用いられます。名前の通り、絶縁体は感電防止のための部品で、一般的にはPVCで作られます。ワイヤー部分の材料は、より良い電導性を得るために銅が用いられます。
それでは、ZW3Dを使って、ステップバイステップでプラグの設計を始めましょう。
金属部品
L端子とN端子の部品
L端子とN端子の金属部品は同一ですので、設計過程も一緒です。
ステップ1:XY平面で金属部品の輪郭を作図し、寸法を追加します。
このステップで、寸法値を修正する必要がある場合は、プロファイル全体の比例を維持できる「寸法エディタ」をお試しください。
図2. L/N 部品の輪郭
ステップ2:L/N極用部品の基本的な特徴として押出形材を使用し、次にフィレット(図4では緑色で強調表示)と面取り(図3では赤色で強調表示)を行います。
図3.ベース機能
図 4.フィレット(緑)と面取り(赤)
アース線用の金属部品
アース線用の金属部品の外観を効率的に設計するために、ZW3Dの特徴的な機能を使います。
ステップ1:ベース機能として、XY平面上に円を描いて、Z軸に沿ってそれを押し出します。
ここで、「エンドキャップ開始」(図6の赤枠部分)の設定オプションを選択すると、次の特別なステップでソリッドではなくフェースを作ることができます。
図5.ベース機能
図6. 押し出し
ステップ2:特徴的な機能「ドーム」を使うことで、ワンステップだけで設計を完了することができます。境界線を選んで高さを設定すると、半球が自動的に作成されます。
図7.自動的に半球を作成する「ドーム」機能
絶縁体の設計
絶縁体のハード部分はシンプルな構造ですが、ソフト部分はより複雑なため、「形状」と「サーフェス」の両方の機能を使って素早く設計を完了することができます。
ハード部分
ステップ1:YZ平面上にハード部分の輪郭を描いて、寸法を追加します。
図8. ハード部分の輪郭
ステップ2:図 9に示した通り、プロファイルを押し出します。
図9. ハード部分を押し出す
ソフト部分
ソフト部分は4パーツに分けられます。わかりやすく、緑、青、赤、茶色に色分けしています。
図10.ソフト部分の構造
ステップ1:青のパーツは、YZ平面に輪郭を描いて、X軸に沿って11mmにプロファイルを押し出します。次に、底面の短辺を2.6度の角度で勾配を付けます。
図11.青のパーツの輪郭
図12.青のパーツの抜き勾配パラメータ
ステップ2:赤いパーツは、まず図13のように、青いパーツの上面から22mmのところに基準面を作成し、その上に輪郭を描きます。 次に、図14に従って、赤いパーツのエッジを作成します。
図13.赤いパーツの輪郭
図14.赤いパーツのエッジ
その後に、「サーフェス」モジュールに変更し、設計をを完了します。まず、「メッシュサーフェス」機能ですべての面を作成します。「メッシュサーフェス」を使うには、図15に示すように、一つの面のUカーブ2本とVカーブ2本を選択する必要があります。すべての面を作成したら、図16のように、「縫い合わせ」機能でソリッドにします。
図15.メッシュサーフェスでサーフェスを作成する
図16.すべての面を縫い合わせる
ステップ3:緑のパーツは、まず、YZ平面上に輪郭を描き(図17の黒実線に示すように)、X軸方向に 26 mmの長さに押し出します。次に、上面の直線を30度の角度で作図します。
図17.緑のパーツの輪郭
図18.緑のパーツの抜き勾配パラメータ
ステップ4:茶色のパーツは、まず図19のように、赤のパーツの上面に輪郭を描き、X軸方向に16.5mmの長さに押し出します。最後は図20のようになります。
図19.茶色のパーツの輪郭
図20.4つのパーツのモデル
次に、茶色のパーツを微調整するために、図21に示すように、赤いパーツの上面に穴フィーチャーの輪郭を描きます。次に、「ブーリアン形状 差」(図22の赤枠部分)を使って、X軸に沿ってプロファイルを押し出します。
図21.穴フィーチャーの輪郭